部門講演会優秀発表表彰: 小林 孝(三菱電機(株))

このたびは,第13回設計工学・システム部門講演会での優秀発表表彰を頂き,光栄に存じます.激化するグローバル競争下において,高付加価値な製品を低価格/短期に提供する総合設計力は製造業の経営コアコンピタンスとしてますます重要となっています.今後,日本製造業が生き残るには,日本の良き協調設計文化に欧米発のディジタル設計ツール群を技術/経済合理的に融合したプロセスの全体最適化が急務と考えます.つまり,従来の『暗黙』,『あうん』といった日本固有の開発文化に,欧米発の形式化・体系化された合理的メソッド(DMAIC)を融合してプロセスを再構築することで,日本製造業のポテンシャルの顕在化,復権は可能だと確信しています.本稿では,欧米型のTop-downでも,日本型のBottom-upでもない,中間統合チームを中心としたMiddle-up- down型の柔軟な協調プロセスや開発体制を提言し,薄型ノートPCの開発実績からその有効性を実証しています.現在,この『Middle-up-down協調設計手法』は当社の製品開発へ適用拡大し,手法の体系化,理論強化を推進中です.引き続き,『JSME設計研究会A-TS12-05』での産学委員をはじめとした本部門会員の皆様との意見交換についても,宜しくお願い申し上げます.末筆になりましたが,本講演会の運営に御尽力された関係各位にこの場を借りて,深く感謝申し上げます.

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